教授との融点
ニヤけた顔をちょっと手の平で押してから、2階、教授の部屋をノックする。


「おはよう、青山。今日はちょっと遅かったな?」


「あ、初瀬尾教授、おはようございます。すぐに準備しますから、スイマセン」


あたしが専攻してる生物学科の担当、初瀬尾 俊(はつせお しゅん)教授は、今にも崩れそうな本の山からA4のプリントを抜き取り、その裏に今日必要な物をメモして渡してくれた。


わ…。


ホルマリン漬けの標本ばっかじゃん…。
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