君に逢えない理由

結論はいっこうに出ないまま、僕はバイトへ向かった。
ようやく仕事にも慣れ、淡々と時間がたつ中で、仕事をこなしていった。

今日は夜の7時で上がりだった。
仕事を終え、休憩室に戻るといつものように鞄から携帯を取り出した。
いつもは、着信もメールも入っていないのだが、今日は受信メールを知らせる光が、携帯から放たれていた。

「お、誰だ?」

受信画面を開いた僕は固まった。
一ヶ月前にメールを送ってから、返信が途絶えてしまったミズホからだった。


from:ミズホ

 私に聞きたいことって
 なんですか?


一ヶ月前の返信が、今になって届いた。
人生の分かれ道の選択に迫られている僕に、彼女はまた手を差し伸べてくれたのだ。

その場で急いで返信を打った。
本文は、迷う事なく打ち込まれ、そのまま送信ボタンを押した。

「・・・教えて。君が変わろうと行動した訳。」

携帯を閉じて、僕はいつもの公園に向かうべく、帰り支度を始めた。

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