意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
翌朝。

頭がズキズキ痛くて、このまま寝ていたいと思ったけど、今日は数学の小テストがあるので、がんばって起き出した。


「おはよー」

「ああ、メグ、大丈夫?」

「ん…頭が痛い」

「まあ。やっぱり風邪引いたんじゃない?」

「どうかなあ」

「今日は休めば?」

「ううん、テストがあるから行かなくちゃ」

私は冷蔵庫からオレンジジュースを出してグラスに注いだ。

「朝ご飯食べて行きなさい。昨夜、食べてないんだから」

昨夜はお風呂から出た後、ご飯を食べずに部屋に直行した。食欲がなかったのと、泣いた顔をお母さん達に見られたくなかったから。

「食欲ないし、時間もないからこれだけでいい」

私はオレンジジュースをゴクゴクと飲んだ。空っぽのお腹がキューっとなった。

「行って来るね」

「無理しちゃダメよ。今日は部活は休んだら」

「うん、そのつもり」

お母さんから言われる前から、部活は休もうと決めていた。体の調子が悪いし、水嶋先輩や浅田先輩と会いたくないから。
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