意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「えっ?」

裕樹先輩の『気になる女』は私なんだと、前に水嶋先輩は言っていたけど、私は半信半疑だった。

「どうかな?」

「でも、裕樹先輩には浅田先輩が…」

「美緒とは別れた」

「え?」

「昨日だけどね」

「昨日…」

だから浅田先輩は泣いていたのか…

「元カノと別れた次の日にって、軽薄だと思うだろうけど、一刻も早く君に伝えたかったんだ」

確かに軽薄な気がする。
素敵だなと思っていた裕樹先輩への想いが、私の中で急激に色褪せていった。

「ごめんなさい。私には好きな人がいるので…」

「やっぱりね。遼でしょ?」

「それは…」

「あいつはダメだよ」

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