意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
私は水嶋先輩におんぶされて学校を出た。

下校時刻は過ぎていたようで、生徒はまばらだったけど、それでも目立つ事この上なかった。

「すみません。私、重いでしょ?」

「ああ、重いな」

「ひどい」

「嘘だよ。ところで、俺で悪かったな」

「え?」

「裕樹に送ってけって言ったら、『家の方向が一緒なんだからおまえが送ってけ』って言われたんだよ」

「そうなんですか…」

「そう言えば、裕樹は今日おまえに告るって言ってたな。告られたか?」

「あ、はい」

「そうか。良かったな?」

「はあ」

水嶋先輩は、私が断ったなんて想像もしないんだなあ。

「こういう事は、彼氏の役目だろうに。まったく、あいつは…」
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