意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
先輩はアイスの蓋を開けて、スプーンも開けてくれた。

「ずいぶん優しいんですね?」

「と言うか、おまえが意外に甘えん坊だと分かったからさ…」

「甘えん坊…?」

確かにそうかも。特にお母さんにはすぐ甘えちゃうから、先輩にばれちゃったんだなあ。

「食わせてやろうか? あーんしてみろ」

「しません!」

「遠慮すんなよ」

「遠慮じゃありません!」

私はニヤニヤした先輩の手からアイスを奪った。

「怒る事ないだろ?」

とか言いながら先輩はフローリングに腰を降ろした。お尻、痛いだろうな…

クッションを出してあげたいけど、下着姿だから布団から出られない。

「先輩はアイス食べないんですか?」

「俺はコレ」

先輩が袋から出したのは、ブラックの缶コーヒーだった。
先輩は甘いものが嫌いだもんね。
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