意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「どうして裕樹を断ったんだ?」

「えっと、それは…」

水嶋先輩は、裕樹先輩から聞いたんだな…

「変な意地とかか?」

「ううん」

そもそも『意地』って何よ?

「あいつのファンクラブが怖いとか?」

「水嶋先輩のファンの方がよっぽど怖いです」

「なんだ、それ」

「何でもないです」

「だったら、なぜ…?」

「付き合いたくないからです」

「だから、なぜ?」

「うるさいなあ。好きじゃないからに決まってるでしょ!?」

「………」

つい怒鳴ってしまった。水嶋先輩は目を大きく開いて驚いている。

「ごめんなさい…」

「あ、いや、俺こそ、ごめん。俺はてっきり、おまえは裕樹が好きなんだと思ってたから」

「私もそう思ってました。でも、裕樹先輩の事は素敵だなとは思うけど、好きとは違うって気付いたんです」
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