意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
エピローグ

先輩と初登校

次の電車がホームに入って来た。

私はベンチから立ち上がり、ジッとドアを見る。

『前から3両目の一番先頭のドア』

昨日から、これを頭の中で何十回も唱えている。お経みたいに。

そのドアから、ついに待ち侘びた人が出て来た。
周りの人より頭ひとつは背が高く、どのアイドルよりも格好いい私の最愛の彼。

「よお」

「おはようございます」

「待たせたか?」

「ううん。私も今来たところ」

「そっか」

ベタだけど、今来たというのは嘘。嬉しいのと、先輩を待たせたくなくて、早く着き過ぎて電車を4本見送っていた。

先輩が降りた電車に二人で乗り込んだ。
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