意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「あっ!」

「分かったか?」

昨日、帰ろうとした先輩を見て、私は咄嗟に布団から飛び出して、先輩の背中に抱き着いた。

キャミとパンツだけという、あられもない姿で。

それを思い出したら、私の顔は急激に熱くなった。たぶん真っ赤になってると思う。

「先輩の、エッチ」

「エッチって…、仕方ないだろ? 俺だって男なんだから」

「知りません」

「あの状況で理性を保ったんだぞ。俺は自分で自分を褒めてやりたいね」

「そんなの、当たり前です」

「じゃあ、俺はどうしたらいいんだ?」

「エッチな事は考えないで、普通にしてください」

「分かった。普通にする」

「ほんとに?」

「ああ」

私は上目遣いで先輩をジトーッと見上げた。

先輩は、一瞬まじめな表情で私を見下ろしてたけど、すぐに目を逸らしてしまった。

「ダメ。鼻血出そう」

先輩がこんなにエッチな人とは思わなかった。失敗だったかなあ。
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