意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「恵…」

「ふん」

「恵ちゃん…」

「うるさい」

「いい加減に機嫌直してくれよ」

「嫌よ。先輩がイヤラシイ人で、がっかりしてるんだから…」

「俺は普通だぞ。男はみんなイヤラシイものなんだ」

「そんな事、嘘です」

「ほんとだって。何ならお母さんに聞いてみろよ」

「そんな事、聞けません」

「参ったな…」


『きゃ〜!』

『うそ〜!』

え? 何? 今の黄色い悲鳴は…

悲鳴がした方に目を向けると、私と同じ制服を着た女の子達が、こっちを指差したりして騒いでいた。

「う、嘘。学校? 先輩、離れてください。学校ですよ!」

私達は学校に着いた事に、気付かなかったらしい。
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