意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
ついさっきの事なのに、何なのこの早さは。口コミって、おそろしいなあ。

いつの間にか、私の周りに大勢の女子が集まっていた。

「ねえねえ、王子と付き合う事になったの?」

「え、うん」

『きゃ〜』

『竹中さん、すごーい!』

「微笑みの貴公子から告られたってほんと?」

「さあ…」

『きゃ〜、ほんとなんだあ!』

「王子もメグに告ったの?」

「どうして王子を選んだの」

「もうしたの?」

ああ、もう、うるさい。『した』って何よ?

次から次へ質問が飛んで来て、途中から私は答えるのを止めた。

よくテレビで、報道陣から質問責めに合って、一切答えない芸能人や政治家を見るけど、あの人達の気持ちが分かった気がする…
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