意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
女子からの追求は落ち着いたんだけど、ある男子がどうも気になる。

私の斜め右前方の席にいるその男子は、どこかで見覚えはあるけど、それがどこだったのか、何という名前か思い出せない。

なぜ気になるかというと、体をこっちに捻り、私の方をチラチラ見るから。
そして私と目が合うと、ニッコリ微笑んだり、ウィンクをしたりする。

「ねえ、メグ。玉田君がまたメグを見てるね?」

前の席の香ちゃんが後ろを向いて私に言った。

「彼、玉田君っていうの?」

「知らないの? 同じバレー部なのに冷たいなあ」

「ああ、そうかあ」

だから見覚えがあるのか…

「メグは、王子しか目に入らないもんねえ?」

「そ、そんな事は…」

「でも、何でメグばっかりモテるんだろう。モテ期?」

「そんな事ないってば…」

その時、『メグちゃん』と、私を呼ぶ声がした。
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