意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「あ、加奈ちゃん」

「廊下に3年の先輩が大勢来てるよ」

「え?」

「メグちゃんに話があるんだって」

やっぱり来たか…
たぶん水嶋先輩のファンの人達だと思う。

「分かった」

私が立ち上がって廊下に出ようとしたら、加奈ちゃんに腕を掴まれた。

「行かない方がいいよ。やばい雰囲気だよ」

「だろうね。でも、どうせ逃げ切れないから、ちゃんと話をして来るよ」

「じゃあ私も行くね」

「ありがとう。加奈ちゃんがいてくれれば心強いよ」

廊下に出ると、3年の女子が10人ぐらいいた。その中の一人、確かこの間も来たリーダー格の人が前に出て私を睨みつけた。

「アンタも懲りない子だねえ。人の忠告を無視しやがって…」

「してません」

「はあ? 口答えするのかい? まあいいや。聞いてやるから着いて来な」
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