意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
私と加奈ちゃんは裏庭に連れていかれた。

「遼様に近付くなって、言ったよね?」

「はい」

「近付かないって、アンタ、言ったよね?」

「まあ…はい」

「約束破ったんだから、覚悟は出来てるんだろうね?」

「私は、『強引に近付かない』って言ったんです。だから約束は破ってません」

「何だって? じゃあ遼様がアンタに近付いたってか?」

「そうです。私はみんなが見てるから放してくださいって、言いました」

「嘘つくんじゃねえよ!」

「嘘じゃありません」

「それじゃまるで、遼様がアンタに惚れてるみたいじゃない」

「水嶋先輩は、ちゃんと好きって言ってくれました」
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