意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜

先輩VSお兄ちゃん

今日は水嶋先輩が私の家に来る事になった。

お兄ちゃんから借りてるCDの話を先輩にしたら、先輩も好きなアーティストで、ぜひ聴きたいと言われたんだけど、又貸しは良くないから、それなら私の部屋で聴こう、という事になったの。

部活の後、いつもはさよならする私が降りる駅で先輩も電車を降り、約10分の道のりを、私達は手を繋いで歩いた。

この道を先輩と歩くのは、私が熱を出した日以来だなあ。

あの時、私は先輩におんぶされてたから、正確には一緒に歩くのは今日が初めてという事になる。

「先輩。あの日の事、思い出しませんか?」

「おまえをおぶった日の事だろ?」

「はい」

「俺もそれを思い出してたところだ」
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