意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「私はあの日、先輩が優しくて力持ちだって事に気付いたんです」

「俺は…意外に大きいって事に気付いたなあ」

「何が大きいんですか?」

「あ、いや、何でもない」

「えー、気になるじゃないですか…。何が大きいのか、言ってください」

「当ててみな?」

「ん…家? それはないな、普通の家だもん」

「ああ、ブーだな。いい家とは思ったけどな」

「じゃ…この町?」

「ブー。正解から離れたな」

「家から町で離れたか…。じゃあ、お兄ちゃんの身長?」

「おまえの兄貴がデカイのは前から知ってた」

「そうだよね。じゃあ、お母さんの身長? それはないな。お母さん、チビだもん」
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