意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「もしかして、私の身長?」

「まさか。とっくに知ってたよ」

「だよね? じゃあ何だろう」

「ヒント。だいぶ近付いて来たぞ」

「え? という事は私? 私の何か?」

私は思わず立ち止まっていた。

『マズかったかな…』

「え? なに?」

「そう真剣になるなよ。歩きながら話そうぜ」

「嫌。教えてくれるまで動かない」

「ん…じゃあヒント。おまえがギュウッと抱き着いた時に気付いた」

「私が、ギュウッとかあ…」

私は片腕を上げて、実際に抱き着くような格好をしてみた。

「分かった!」

「分かっちゃったか?」

「うん。手だよね? 手の平? 私の手って、人より少し大きいんだあ。指も長いの」
< 159 / 187 >

この作品をシェア

pagetop