意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
そう言って、お兄ちゃんは階段の前に立ち塞がった。

「お兄ちゃん?」

「コイツを部屋に入れるのは俺が許さない」

「どうして?」

「決まってるだろ。おまえをコイツから守るためだ」

「意味分かんないよ。先輩はCDを聴きに来ただけだよ」

「そんなのはただの口実だ。コイツの下心は、見え見えなんだよ」

「そんなの、お兄ちゃんの考え過ぎだよ。ね?」

そう言って先輩を見たら、何だか先輩の顔が赤い。

「先輩。そんな事ないって、はっきり言ってください」

「え? あ…何て言うか、その…」

「ほら見ろ。しかしコイツもバカ正直な奴だなあ」

うそ…。先輩はそんな下心があったの?

でも、そもそも下心って、何?
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