意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
意地悪な先輩
練習試合を3日後に控え、私は部活の後、一人で体育館に残っていた。

床に体育座りして、ノートに目を落としていた。
ノートには、アタッカーの先輩達一人ひとりの特徴と、トスを上げる際の注意点なんかが書いてある。

それは、練習中に先輩達を観察したり、短い時間だけど、スパイク練習の時にトスを上げさせてもらった時に気付いた事などを、こっそりメモしたものだった。

「大体はこれでいいと思うけど、練習が足りないな…」

思わずそんな独り言を言った時だった。

上からニュッと手が伸びて来て、ノートをヒョイッと誰かに取り上げられた。

「え?」

驚いて見上げると、私の横に大男がそびえるように立っていた。
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