意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「そんなつもりは、ないんだけどな」

先輩は俯いた私の頭をポンポンと軽く叩いた。

「このノートだけど……」

やっと返してくれると思って私は手を出したんだけど…

「明日まで預かっておく」

「もう……先輩なんか大嫌い!」

私は走って更衣室へ向かった。


制服に着替えて体育館を出ると、水嶋先輩が外に立っていた。

「ノート、返してくれるんですか?」

「いや」

「お疲れさまでした!」

私は先輩をキッと睨み、スタスタと歩き出した。

すると先輩もピタッと私の横に着いて歩き出した。
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