意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「着いて来ないでください」

「別に、着いてるわけじゃない。駅に向かってるだけだ」

なら、この間のように走って帰ろうと思い、足を踏み出したところで先輩に腕を掴まれた。

「何するんですか? 放してください!」

「走らないなら放してやる」

「そんなの、私の勝手です」

「ダメだ。夜道は走ると転びやすい。もし転んで足でも捻ったら、今度の試合に出られないぞ。それでもいいのか?」

「それは…」

「どうする? 俺はこのまま歩いてもいいんだぞ」

それは嫌だ。
今の格好だと、私が何か悪い事をして、男の人に連行されてるみたいに見えるだろう。
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