意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
身長があって、ジャンプ力もあった加奈ちゃんは、相手のブロックが何枚飛ぼうが、その上から、しかし鋭角にドスンという感じの、まるで男子のような迫力のスパイクを打っていたんだよね…

「でもこれからは、足の長いスパイクとか、コースを変えたり、ブロックアウトを狙ったりとか、しないといけないんだ…」

「そうなんだあ。という事はさ、水嶋先輩は加奈ちゃんの事、ちゃんと見てくれてるんじゃない?」

「そうかな?」

加奈ちゃんは頬を赤く染めて嬉しそうにしている。加奈ちゃん、可愛いなあ。

「そうだよ。だから、頑張りなよ」

「頑張るって、何を?」

「加奈ちゃんは、水嶋先輩の事が好きなんでしょ?」
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