意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「え? う、うん」

加奈ちゃんは、普段は男の子みたいにさっぱりした感じだけど、水嶋先輩の事になると一変して可愛らしい女の子になる。

私は親友として、そんな加奈ちゃんの力になりたいと思った。

「私、加奈ちゃんを応援するよ」

「でも…、メグちゃんだって…」

「私? 私は水嶋先輩を好きじゃないよ。むしろ意地悪ばかりされるから、嫌いよ」

「でも…」

「ここだけの話だけど、私は裕樹先輩が好きなの」

言っちゃった…
裕樹先輩への気持ちを人に言ったのはこれが初めてだった。

「香山先輩? でもあの人には…」

「うん、浅田先輩と付き合ってるのは知ってる。だから叶わないのは分かってるんだ…」

「そうなんだあ」

なぜか加奈ちゃんは、意外そうな顔をしていた。
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