意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
個人レッスン
部活でスパイク練習の時、浅田先輩以外の女子は、いつもと違い、そわそわしたり緊張したりしていた。

その理由は、水嶋先輩が女子のコートのすぐ脇で、腕組してジッと女子を見ているからだと思う。

特に加奈ちゃんは、顔を赤くしてモジモジしていて、とてもじゃないけど練習に集中出来ていない。

たまり兼ねて浅田先輩が、水嶋先輩に抗議しに行った。

「ちょっと、遼」

そう言えば、水嶋先輩の名前って遼だっけ。下の名前で呼ぶって事は、浅田先輩と水嶋先輩って、仲がいいんだなあ…

「何で見てるのよ?」

「別に…。強いて言えば、見学?」

「みんな、気が散って練習に集中出来ないみたいだから、やめてくれない?」

「俺が見てるだけでか?」

「そうよ」
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