意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「俺を女子のアタッカーだと思って、トスを上げてみろ」

「え? 急にそんな事言われても…」

「つべこべ言わない。先ずは美緒の速攻な」

「ちょ、ちょっと待ってください。美緒って誰ですか?」

「ああ、すまん。浅田の事だ」

浅田先輩の名前は美緒さんだったのかあ。知らなかった…
二人とも下の名前で呼び合うんだから、水嶋先輩と浅田先輩は相当仲がいいんだな…

「最初は普通にAクイックな。行くぞ」

「あ、はい」

水嶋先輩は、オーバーハンドの綺麗なフォームで私に向かってボールを上げた。

やや高いボールだったので、私は軽くジャンプして、走り込んで来た水嶋先輩にトスを上げた。
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