意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
バシッ

ズバーン

すごい音がしてびっくりした。
あんな凄まじいスパイク、初めて見た。お兄ちゃんがビビるって言ったのも頷ける。まともにレシーブしたら、腕の骨が折れるんじゃないかしら。

「ど、どうでしか?」

「バッチリだ。バッチリ過ぎて、手加減するのを忘れたよ」

「ありがとうございます!」


それから浅田先輩のクイックをB、C、Dまで練習した。

何度か水嶋先輩から怒られたりもしたけど、最後には何とか合格をもらえた。

「浅田はこれで終わりな。次は須藤のクイックをやるぞ」

須藤先輩は浅田先輩と対角線のセンタープレイヤーだ。
浅田先輩に比べるとオーソドックスなクイックをするけど、手が長い分、打点が高く、ブロックはチームで一番上手な先輩だ。

「でも…」
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