意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「どうでもいいけど、歩きながら話そうぜ」

私はあまりに動揺して、歩く事も忘れていた。

「第一おまえ、練習中にチラチラ裕樹を見てるだろ? 俺や他の奴には目もくれず」

「それは…」

確かにそうかも。

「しかも目がハートなんだよ。あれじゃバレバレだ」

私、そんなに分かりやすかったかなあ。
顔がカーッと熱くなった。

「あの…。誰にも言わないでほしいんですけど…」

「言わねえよ」

「すみません…」

私は恥ずかしくて、俯いてトボトボ歩いた。
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