意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
加奈ちゃんは悲しそうな顔をしているけど、加奈ちゃんにだけは誤解してほしくなかった。

「内緒の話って何よ?」

「それは…内緒だから言えない」

裕樹先輩と浅田先輩の話を、こんな所でするわけには行かない。

「怪しいなあ」

「怪しくないってば…」


その時、教室の前の方から「竹中さん」と、私を呼ぶ声が聞こえた。

首を伸ばしてそっちを見ると、クラスの女の子が私に向かい、おいでおいでと手招きをしていた。

『なんだろう』と思いながらその子の傍まで行くと、その子は教室のドアを指差すのでそちらに目をやると、廊下に数人の、たぶん上級生の女子が腕組みをして立っていた。
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