意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「アンタが昨夜(ゆうべ)電車の中で遼様にベタベタしてたって、本当かい?」

『遼様』?
この人達は水嶋先輩の事をそう呼ぶんだ…

「ベタベタなんて、してません」

「アンタ、遼様にキスしたのかい?」

その瞬間、他の3人もグッと私に近付いた。私の返答次第では、ただじゃ置かない、といった感じの殺気を感じた。

「そんな事してません。本当です。私と水嶋先輩は、そんな関係じゃありませんから」

私の答えに、4人ともホッと安堵した様子だった。本気で心配してたみたい。

「ふっ。そんな事当たり前じゃないか。遼様がアンタみたいな子を選ぶ訳がないわ」

『アンタみたいな子』が、どういう子なのか聞いてみたい気もしたけど、変にこの人達を刺激しちゃいけないと思ってやめた。
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