意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
部活の後、昨日と同じように水嶋先輩とトスの練習をした。

昨日はセンタープレイヤーにクイックのトスを上げる練習をしたけど、今日はエースアタッカーに上げるオープントスの練習をした。

昨日もそうだったけど、水嶋先輩は各アタッカーの特徴を熟知していた。
今思えば、昨日の部活で女子のスパイク練習を見てたのは、このためだったんだと思う。

なぜ、そこまでしてくれるんだろう…

練習が終わって駅へ向かいながら、私は水嶋先輩に聞いてみた。

「先輩。昨日と今日と、本当にありがとうございました」

「おお」

「あの…どうして私に教えてくれたんですか?」

「ん? 昨日も同じ事聞かなかったか?」

「はい。私が練習不足って言ったからって、先輩は言ってましたけど…」

「納得出来ないか?」

「はい…」

「おまえが好きだからさ」
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