意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
恥ずかしくて水嶋先輩から目を逸らすと、水嶋先輩も下を向いてストローを咥えるのが視界の中で分かった。

「そんなに美味しいかい?」

裕樹先輩に聞かれたので『はい』と答えた。私だけが喜んでるみたいで恥ずかしいなあ。


そう言えば私ばかり話していて、加奈ちゃんが殆ど話をしてない。
せっかく憧れの水嶋先輩と向かい合って座ってるんだから、何か話せばいいのに、加奈ちゃんはシャイだからな…

仕方がないので私が話を振る事にした。

「水嶋先輩」

「ん? 何だ?」

「加奈ちゃんのスパイクはどうでしたか?」

「加奈ちゃんって、服部の事か?」

「もちろんですよ。知らなかったんですか?」

「ああ、すまん」

私は目立たないように、小さく肘で加奈ちゃんを突いた。

加奈ちゃんは『え?』という目で私を見るので、『話しなよ』と目で言った。
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