意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「先輩、次の試合はいつですか?」

私は浅田先輩に話題を振ってみたんだけど…

「まだ決めてないわ」

の一言しか、返って来なかった。

「今度は1セット目から、竹中さんでいいんじゃないか?」

と裕樹先輩が言い出して私は慌ててしまった。そういう意図で話を振ったんじゃないのに…

「私ひとりじゃ決められないわ」

という浅田先輩の言葉に私も続いた。

「私なんか、まだまだです」

「謙遜することないよ、メグちゃん。うちは実力主義なんだから」

「え?」

裕樹先輩、いま私をメグって呼んだ…

「『竹中さん』では、なんか他人行儀だから、『メグちゃん』って呼んでいいかな?」

「別に構いませんけど…」

私がモジモジしていると、浅田先輩がスクッと立ち上がった。
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