意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
家の方向が逆の加奈ちゃんと裕樹先輩とは駅のホームで別れ、私は水嶋先輩と同じ電車に乗り込んだ。

土曜の昼間の電車はガラガラで、私と水嶋先輩は並んで座る事が出来た。

サッと周りを見渡したけど、高校生らしき人は見当たらない。

「先輩、浅田先輩と裕樹先輩、なんか変でしたね?」

「ああ。おまえに言われたくないけどな」

「そ、それはどういう意味ですか?」

「分からないのか?」

「分かりません」

「鈍感なやつだなあ」

私は水嶋先輩の意地悪な言い方にムッとしていた。

トスの練習に付き合ってくれて、貴重なアドバイスもしてもらって、水嶋先輩には感謝をしてるし、本当は優しい人なんじゃないかと思いかけていたのに…
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