ワンダー、フルカラー
1話
私の名前は根津 真夜子。
小学生の頃に友達から『マヨネーズ(マヨ)』というあだ名を頂き、中学3年生まで呼ばれ続けた。
しかしそれはもう3年も昔の話であり、私には今あだ名というものが存在しない。真夜子はマヨネーズを卒業したのです。
…ここだけの話、高校は義務教育を共に過ごした仲間が行かなさそうな場所を選んだのが卒業を果たせたきっかけなのだけれども。高校に入ってからは間違えてもフルネームはテスト以外では使わない。
でも、この素晴らしいあだ名脱却方法を考えたのは私ではないのだ。
マヨネーズの親玉的存在…ソースを名前に宿した私の幼馴染が考え出して、私に提供をしてくれたのだ。

「根津さん見てください。今日は空が綺麗ですよ。」
「そうですね臼田くん。現実逃避をしていないで早く日直の仕事をしてください。」

『臼田 爽助』という名の、

「UFO出そうな天気です。」
「出ないから早くしろ。」

『不思議くん』が。



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