ワンダー、フルカラー
2話
『いやいや、実は今日の朝爽助くんの家の前を通ったらおじいさんがゴミ袋を見ながら話し掛けててなぁ…これは危ないと思っておじいさんを連れて家にいるおばあさんに教えようとしたら、おばあさんの方なんて俺を若い頃のおじいさんと間違え出してだな…つまりボケが突然始まっちまったんだ。仕方がないから病院に入院させて検査を受けさせてる。診断次第ではこのままうちで彼は預かるぞ?爽助くんには休み時間に連絡していたんだが…』
「本当にちゃんと言ったの?凄く取り乱してたけど…」
『言った言った。更にマヨが帰って来てすぐに本人に直接伝えに行ったんだかんな?』
「そうなんだ…」
『で、爽助くんは今何してる?』
「縁側に座ってUFO探してる。」
『何だ普段通りじゃねぇか。』

父親にも確認を取ってみたところ、彼は本当にこれからうちでお世話になるらしい。

「ああ惜しい…あれは衛星でしたか。」
「………」

嬉しい反面凄く複雑だ。



2話






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