ワンダー、フルカラー
カレーといってもレトルトのものだ。しかも貰い物のやつ。だから作る事に失敗なんかしない。
「良い匂いですね…」
「そうだねー…」
ぐつぐつと温め直していると、リビングで寛いでいた臼田くんが隣にやって来て。カレーの入った鍋の中を覗く。
さっきみたいに肩を掴まれたらどうしようとか思ったけど、臼田くんは現在鍋に夢中のようだ。お玉にカレーを掬っては手にそれを付けて味見をして、そして頷いては味に納得をしている。
大丈夫…いつもの臼田くんだ。
「あ…そう言えば。」
臼田くんはカレーから私へ視線をやると、背後に回って私の背中に手を当てる。
「な、何?」
いきなりの臼田くんの行動に驚いて、さっきの出来事を思い出して…驚きのあまりに声が裏返った。
触りすぎだよ臼田くん…狙っていたかのように私の下着のラインに見事に触れているし。
「さっき僕が背中を後ろに根津さんの体を壁に押したでしょう?」
猫でも撫でているのではないかと思うくらい丁寧に触れながら、彼は溜め息を吐いて理由を述べる。
「その…怪我をしていたらどうしようかと…」
「ああ…」
そう言えば背中、おもいっきり壁に打ちつけたんだっけ…少し時間が経ってから痛みが綺麗になくなっていたから怪我しているとか全く考えていなかった。
「痛くないから大丈夫だよ。」
私は笑顔で臼田くんへ振り返り、彼が背中に触れていたその手をギュッと握った。
「でもちょっとビックリしたな…やっとホッとしたけどさ。臼田くんって悩みとかなさそうとか思ってたし、素で不思議くんをやってたかと思ったら実は癖だったり。今日は未だかつてない大発見をした気分。」
「…大袈裟ですね。」
大袈裟で良いじゃないか。だって10年もの付き合いなのに、今まで臼田くんのことを何も知らなかったのだ。仲は良いつもりだけれど、あまり互いのこととか話したことはなかったし…
「良い匂いですね…」
「そうだねー…」
ぐつぐつと温め直していると、リビングで寛いでいた臼田くんが隣にやって来て。カレーの入った鍋の中を覗く。
さっきみたいに肩を掴まれたらどうしようとか思ったけど、臼田くんは現在鍋に夢中のようだ。お玉にカレーを掬っては手にそれを付けて味見をして、そして頷いては味に納得をしている。
大丈夫…いつもの臼田くんだ。
「あ…そう言えば。」
臼田くんはカレーから私へ視線をやると、背後に回って私の背中に手を当てる。
「な、何?」
いきなりの臼田くんの行動に驚いて、さっきの出来事を思い出して…驚きのあまりに声が裏返った。
触りすぎだよ臼田くん…狙っていたかのように私の下着のラインに見事に触れているし。
「さっき僕が背中を後ろに根津さんの体を壁に押したでしょう?」
猫でも撫でているのではないかと思うくらい丁寧に触れながら、彼は溜め息を吐いて理由を述べる。
「その…怪我をしていたらどうしようかと…」
「ああ…」
そう言えば背中、おもいっきり壁に打ちつけたんだっけ…少し時間が経ってから痛みが綺麗になくなっていたから怪我しているとか全く考えていなかった。
「痛くないから大丈夫だよ。」
私は笑顔で臼田くんへ振り返り、彼が背中に触れていたその手をギュッと握った。
「でもちょっとビックリしたな…やっとホッとしたけどさ。臼田くんって悩みとかなさそうとか思ってたし、素で不思議くんをやってたかと思ったら実は癖だったり。今日は未だかつてない大発見をした気分。」
「…大袈裟ですね。」
大袈裟で良いじゃないか。だって10年もの付き合いなのに、今まで臼田くんのことを何も知らなかったのだ。仲は良いつもりだけれど、あまり互いのこととか話したことはなかったし…