ワンダー、フルカラー
(えっと…)
こういう時父さんだったらどんなことをするのだろうか。相手の元気がなくて、しょんぼりしていて、弱った子犬みたいな目をしていて…
「…ね、根津さん?」
「あ、」
子犬って頭の中で思った瞬間、『撫でる』っていう選択肢が思い浮かんで……思わずそれに従って臼田くんの頭を撫でてしまった。臼田くんは立っている私を見上げて、目を丸くさせながら驚いている。
そんな彼を見ていたら顔に熱が集中して、動きが固まってしまった。
「ええええっと!これはその…!」
インスピレーションのままにやってしまったから、掛ける言葉が見つからない。今更後悔をしたところでもう遅い。
「う、臼田くんが不安がると根津家総出で不安がっちゃうっていうか…」
いや、父さんが不安がるかは知らないけれども…少なくとも私は不安になる。
「この家にいる間はわがまま言っても良いし、自分が好きなこととかしても良いし…臼田くんの家で出来なかったこととか、いっぱいして良いから…」
自分が何を言っているのか分からなかった。とにかく臼田くんの辛い部分とか、不安な気持ちとか、祓えたら良いなって思ったから必死になって安心を与えようとして、精一杯その気持ちを伝えたくて、ない脳みそでいろんな言葉を口にした。
「た、頼ってくれて構わないから…」
しかしここで脳内のパラメーターがオーバーしてしまう。何故か息が切れて苦しくなった。
肩で息をしながら何気なくカレーを見てみるとブクブクと泡を立てて沸騰していて…まずいと思って火を消そうと手を伸ばす。
しかし、
「わ…っ!」
臼田くんにその腕を突然掴まれてしまい、下へと引っ張られてしまった私は床へ尻餅をついてしまったという。
お尻痛い…!
「…早速、甘えても良いでしょうか?」
「へ?」
お尻を撫でて痛み堪えている最中、臼田くんは私の目を見て話し掛けてくる。
ぶつかったその視線はどこか綺麗で、キラキラと輝いているように見えた。
例えるのなら、子供の目。汚れを知らない無垢な瞳。
こういう時父さんだったらどんなことをするのだろうか。相手の元気がなくて、しょんぼりしていて、弱った子犬みたいな目をしていて…
「…ね、根津さん?」
「あ、」
子犬って頭の中で思った瞬間、『撫でる』っていう選択肢が思い浮かんで……思わずそれに従って臼田くんの頭を撫でてしまった。臼田くんは立っている私を見上げて、目を丸くさせながら驚いている。
そんな彼を見ていたら顔に熱が集中して、動きが固まってしまった。
「ええええっと!これはその…!」
インスピレーションのままにやってしまったから、掛ける言葉が見つからない。今更後悔をしたところでもう遅い。
「う、臼田くんが不安がると根津家総出で不安がっちゃうっていうか…」
いや、父さんが不安がるかは知らないけれども…少なくとも私は不安になる。
「この家にいる間はわがまま言っても良いし、自分が好きなこととかしても良いし…臼田くんの家で出来なかったこととか、いっぱいして良いから…」
自分が何を言っているのか分からなかった。とにかく臼田くんの辛い部分とか、不安な気持ちとか、祓えたら良いなって思ったから必死になって安心を与えようとして、精一杯その気持ちを伝えたくて、ない脳みそでいろんな言葉を口にした。
「た、頼ってくれて構わないから…」
しかしここで脳内のパラメーターがオーバーしてしまう。何故か息が切れて苦しくなった。
肩で息をしながら何気なくカレーを見てみるとブクブクと泡を立てて沸騰していて…まずいと思って火を消そうと手を伸ばす。
しかし、
「わ…っ!」
臼田くんにその腕を突然掴まれてしまい、下へと引っ張られてしまった私は床へ尻餅をついてしまったという。
お尻痛い…!
「…早速、甘えても良いでしょうか?」
「へ?」
お尻を撫でて痛み堪えている最中、臼田くんは私の目を見て話し掛けてくる。
ぶつかったその視線はどこか綺麗で、キラキラと輝いているように見えた。
例えるのなら、子供の目。汚れを知らない無垢な瞳。