ワンダー、フルカラー
「じゃあ俺を視界に入れんなよ…」
「では真夜に近付かないでください。」
「そ、爽ちゃん落ち着いて!」
とりあえず爽ちゃんを宥めようと思った私は、彼の頭に手を伸ばしてポンポンと優しく撫でる。
分かっています。彼は犬じゃない。こんなことで彼の機嫌が直る筈がないっていうことも承知の上です。
「話の邪魔になるのでやめてください。」
「ごめんなさい!」
うん、やめてくれとか言われちゃった!
どうしたら良いんだろう…手を引っ込めて思わず縮こまってしまったけれど、気まずすぎるこの空気こそ私は生理的に受け付けられない。
涙を流してみるとか?いや、でも私ってそんなキャラじゃないし…逆に笑ってみる?いや、そんな要素がこの状況にあるとでも?
ああもう…!
「うちの庭に笑い茸が生えますようにっ!!」
ここが山だったら良かったのに!!皆で食べて笑い合えたというのに!!
しかし意外なことに、このお馬鹿な考えが今の空気を変えることとなる。
「笑い茸だなんて食べたらまずは死にますよ?」
「え?」
まずは爽ちゃんがこの話題に食い付いてきた。
まさか不思議くんで有名な彼が意外にも普通な答えを返してくださるとは…
「あれか、真夜子は俺達が死ねば良いのにとか思ってるのか。」
「えええ!?」
爽ちゃんに驚いていたら今度は栗井くんが話へと乗っかってきて。異様だった黒い空気が晴れてきているような気がする。
「死ねば良いのにとは思わないけど……」
少し間を開けて、言葉を慎重に選びつつ、私はその先を
「今のままだったらもしかしたら思っちゃうかも。」
口にした。
敢えて威圧を掛けてしまうというこの作戦…上手くいくかは分からないけれども、彼らにそう伝えてみる。
「「………」」
(…あれ?)
しかしそう言った瞬間、爽ちゃんと栗井くんはカチコチに固まってしまったという。
…気まずい。何ですかこの空気は。2人共開いた口が塞がらなくなったらしくて間抜けな顔になっていますぞ。
だけど喧嘩が止まってくれて良かった!
「えっと…洗濯物入れるから手伝わないなら部屋の中に戻ってて?」
私は彼らにお構い無しに、大人しくなってくれたことを良いことに全く進んでいない仕事へと再び取り掛かった。
…気まずいけれど。
「では真夜に近付かないでください。」
「そ、爽ちゃん落ち着いて!」
とりあえず爽ちゃんを宥めようと思った私は、彼の頭に手を伸ばしてポンポンと優しく撫でる。
分かっています。彼は犬じゃない。こんなことで彼の機嫌が直る筈がないっていうことも承知の上です。
「話の邪魔になるのでやめてください。」
「ごめんなさい!」
うん、やめてくれとか言われちゃった!
どうしたら良いんだろう…手を引っ込めて思わず縮こまってしまったけれど、気まずすぎるこの空気こそ私は生理的に受け付けられない。
涙を流してみるとか?いや、でも私ってそんなキャラじゃないし…逆に笑ってみる?いや、そんな要素がこの状況にあるとでも?
ああもう…!
「うちの庭に笑い茸が生えますようにっ!!」
ここが山だったら良かったのに!!皆で食べて笑い合えたというのに!!
しかし意外なことに、このお馬鹿な考えが今の空気を変えることとなる。
「笑い茸だなんて食べたらまずは死にますよ?」
「え?」
まずは爽ちゃんがこの話題に食い付いてきた。
まさか不思議くんで有名な彼が意外にも普通な答えを返してくださるとは…
「あれか、真夜子は俺達が死ねば良いのにとか思ってるのか。」
「えええ!?」
爽ちゃんに驚いていたら今度は栗井くんが話へと乗っかってきて。異様だった黒い空気が晴れてきているような気がする。
「死ねば良いのにとは思わないけど……」
少し間を開けて、言葉を慎重に選びつつ、私はその先を
「今のままだったらもしかしたら思っちゃうかも。」
口にした。
敢えて威圧を掛けてしまうというこの作戦…上手くいくかは分からないけれども、彼らにそう伝えてみる。
「「………」」
(…あれ?)
しかしそう言った瞬間、爽ちゃんと栗井くんはカチコチに固まってしまったという。
…気まずい。何ですかこの空気は。2人共開いた口が塞がらなくなったらしくて間抜けな顔になっていますぞ。
だけど喧嘩が止まってくれて良かった!
「えっと…洗濯物入れるから手伝わないなら部屋の中に戻ってて?」
私は彼らにお構い無しに、大人しくなってくれたことを良いことに全く進んでいない仕事へと再び取り掛かった。
…気まずいけれど。