《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 試験終了後、受験生はそのまま待機していた。そして、次の指示を待っていた。


 また、この時間が長く感じた。

 その間、トモコから教わったことを思い出していた。

 が、結局、緊張を助長する原因となった。


 あれから、う~~ん・・・三十分ぐらい待ったのかな??

「この列の皆さん、荷物を持って、私について来てください。」

 美陽が座っていた列が、試験監督に連れられ、下へ降りた。


 各教室の前には、いすが置かれていた。そこに座って、待つように言われた。

――落ち着いてよ!!トモコがいるから、大丈夫!!――

 しばらくしていると、前の人が出てきた。

――いざ、出陣!!――


 こんこん♪


「失礼します。」

 もうそれくらいしか覚えていない!!

 もう、無我夢中で答えていた。

 気付いたら、もう終わっていた。


 あれだけ長く感じたのに??

 終わった。


 こうして、推薦入試は終わった。


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