《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 白くて、少しすすけた建物が。

 よ~~く見ると、時計みたいなのが見える。
 
 良川の校舎が見えてきた。

 また帰りたくなった。


「こら!!帰ったら何も分からないよ。」

 姿は見えないけど、声は聞こえる。

 もし他人だったら・・・

「トモコ。いつの間に!?」
「さすがに心配だから、来たの。」

 やっぱりトモコだ。

「そうか。ありがとう!!」
「いいえ。」


 トモコのおかげで、校舎の中に入れる勇気がわいてきた。

 でも、緊張はまだまだ続く。



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