《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 学校への道のりは軽かった。

 行きとは大違いだ。

 当たり前だけどね。


 最寄の駅から、学校までの道のりをスキップしていた。

 道行く人には、変な目で見られたが。


 また白くて、すすけた建物だ。

 だけど良川に比べてすすけ具合と、大きさは違う。

 中学校だ。

 一目散に走った。

 
 気が付いたら、運動部の練習の掛け声が聞こえていた。

「和泉か。」

 美陽の担任とばったり出会った。

「どうだった。」
「受かりました。」

「そうか。良かったな!!」

――もう。お父さんに続いて、あっさりとしている。――

「ただな。一つだけ言うぞ。受験に受かったからって、
『終わった』とは思わないでよ。」

「えっ??」

「受験はゴールじゃない。スタートだ。」


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