《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 美陽の目には、今にも流れそうな涙が。


――トモコには、悲しい過去があったんだ。

それに気付かず、今まで接した。

胸に潜んでいた、悲しみを隠して。

でも、まだ疑問はある。――


「俺はな、生まれたばかりのお前(美陽)を見て、死んだ美陽(トモコ)を思い出した。
そして、

――もしかして、美陽(トモコ)の生まれ変わりかもしれない。――

 そう思った。

そうだとしたら、死んだ美陽の分までたくさん生きてほしいから、
『美陽』っという名前をつけたんだ。」

 『美陽』の本当の由来を知って、また、涙が出そうになった。


 もしかして、トモコは・・・

 トモコ自身と同じ名前の子が偶然来たから、慌てて名前を変えたのかな。

 そんな気がした。


 でも、悲しみにあふれている場合じゃない。



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