《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 あまりにも恐ろしい話だが、何とか相づちを打っていく。

「肉体が滅びるのは、早くても半年。遅いと五年ぐらい。」

「そんなにかかるものなの。」


「そう、早く終われば1週間も経たないうちに死ねる。協力してくれる。」


――まだ生きていたいような・・・早く死にたいような・・・――

 クラリ、クラリと心が揺れていた。


「まだ、心が決まってないのか。」

「うん。」

「今日はここで寝て、決まったら教えて。」

「分かった。」


 トモコが消えた。


 それから、今日言われたことを繰り返し、繰り返し思い出す。

 思い出せば、出すほど頭が揺れる。心が揺れる。

 頭が痛い。心が痛い。



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