《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
「美陽、こっちこっち。」

 トモコが開けたところに、ちかがいた。

「美陽、母は。」

「こっちにいるよ。」

「よし、手を握って。」


 お互い手を握り、トモコが握っていないほうの手を、ちかの母に向けた。

 手は、ぴんと張ったようなパーをしていた。

「ナンネンデンンデゴロシロイロイナ・・・」

 トモコが、さっきとは違う変な呪文を唱える。

 すると、


 ちか母が動き出した。

 ロボットのような歩き方をして、そろり、そろりと動く。

 そして、ちかの部屋へと目指す。


 打合せで言われたのだが、実際に見ると恐ろしい。

 恐ろしくて・・・


 でも、これはまだまだ序の口。


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