《完》心の中の虚像 –幽霊と友達–
 読み終えた瞬間、力が抜けて手紙を落とした。

 自然と涙が出る。

 裏切りではないと、気付けなかった後悔が襲う。


 トモコは、どんな気持ちで旅立ったのだろうか。

 想像するだけでも、なんか虚しさが残る。


 でも、涙を流していいのだろうか。

 トモコが旅立った真の意味と、現実の行動が違うような気がして・・・


 トモコが自殺した日、思ったことはいったい何だったのだろうか。


――もっと生きたかった。もっといろんなことを体験したかった。――


 つまり、トモコが体験できなかったことを、伝えるのが美陽の役割なのかな。

 それが、真の意味。

 名前の由来どおりのことではないか。


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