恋愛物語−ナツ−

バス停にて

サキはクスッと笑いながら


「マックに行くといつも帰りに聞くよね〜！なんで？ソウちゃん？」


ソウちゃんのこともそうだけど…
私はサキの彼氏の中井という人をあまり良い印象がない。

中井さんは年上で社会人。
以前私がサキと歩いていた時、ある喫茶店で中井さんが女の人と二人でお茶してる所を目撃してしまったのです。


サキはその時は声をかけずに「きっと会社の人だよ」っと言って早足でその場を去った。


きっと普通の関係ではないのはわかってたと思う。


中井さんとその女の人の雰囲気、二人の見つめ合う視線がそれを語っていた。

サキの性格上、人前では泣かない。いつも一人で泣いてるんじゃないかな…


その時のサキの横顔は目に涙がこぼれそうになり唇をクッと噛み締めてた。

あの時のサキの顔を忘れられなかった。


サキはあの後、中井さんに問い詰めてない。


中井さんのことを信じたいという気持ちもあるだろうし、真実を知るのが恐いってのもあると思う。
でもこのまま中井さんを自由に泳がしておいてはいけないっと私は思ってるんだけど…




『うん…。ソウちゃんから何度も告白されてるんでしょ？ずっと断ってるのにマックに行ってていいのかなって？』


本当は彼氏と別れてソウちゃんと付き合って欲しい…


「ん〜私も始めはもぅ行ったら悪いかなっては思ってたんだけど…。
たまにね！ソウちゃんに会いたくなっちゃう時があるの…」


サキが流れる雲を見ながら言った。


会いたくなるって…
それってもしかして…


『好きってこと？？』


サキが私を見てちょっと考えた顔をして

「ちょっと違うかな」

っと笑いながら言った。


「あっ！バスきた！」

サキの家の方向に行くバスがきた。

なんだかサキのソウちゃんへの想いがよくわからないまま私達は別れた。