恋愛物語−ナツ−
私は保健室を出て足を引きずりながら運動場へ行こうとした。


まぁ行ってももう終わるのはわかってたけど…行かなかったら吉田がうるさそうだしね…。


あぁ…でも本当に痛いなぁ…


両足だし…肘も痛いし…


どん臭いなぁ私…



「あれー?ナツどーしたん?変な歩き方して」


振り返るとコウタが友達とゾロゾロっと歩いていた。



男子の体育は体育館でやっていたから私の怪我の事は知らなかった。
男子はちょっと早く終わったみたい。


コウタ「おお!どーしたんそれ!すげー事になってるやん!!」



こけた事を言ったらバカにされると思った。



『べ・別に…』



早く皆が私を抜いて去って欲しい気持ちでいっぱいだった。



コウタ「別にって事ねーだろーよ!」


コウタが私に構ってくる(-.-;)


早く行ってよ〜(T-T)



他の男子は何だかニヤニヤしながら「じゃー先行ってるわ」っと言ってコウタを置いて行ってしまった。



コウタ「おんぶしてやろーか?」


『はぁ?子供じゃないんだから大丈夫です!早く行きなよ!私は今から運動場行くんだから!』




キーンコーンカーン…



!( ̄□ ̄;)!!



授業が終わってしまった…。


はぁ〜もぅいいや(T-T)


コウタ「お前、今日クラブあんだろ?俺が部活終わるまで待ってろよ!」



『えっ!なんで?』



コウタ「その足じゃバス停までに夜までかかるぞ!」



『別に大丈夫だよー』



コウタ「そうか?でも歩いてる姿がかなり北京原人並で笑われると思うぞ」



『そんな事ないよ!コウタって本当に失礼だよね!女心がまったくわかってないよ』


私の冷たい目を見てコウタはニカーッと笑った。



その笑った顔を見て



『本当バカ…』



っとボソッと言った。



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