ただ君が好きだから
「お嬢様、おはようございます」
快里の背後で不安げにしている真尋お嬢様に笑顔で挨拶をすると、真尋お嬢様は安心したように少しだけ笑顔を見せた。
「おはよ……律花」
「はい。おはようございます、お嬢様」
「お、お嬢様って……学校で……恥ずかしいでしょ……!」
「大丈夫ですよ。この学校は、そういう学校ですから」
「……どういうこと?」
「この四つ葉学園は、執事の同伴が可能な学校なのですよ」
「執事の同伴が可能……?」
キョトンとする真尋お嬢様に、俺は簡単に説明をした。
この『四つ葉学園』は、名家の子供が入学する金持ち学校。
専属執事の1人や2人、必ずといっていい程、存在している。
そして、生徒の中には代々、名家の子供に仕えているという家もある。
そんな家の子供達が『四つ葉学園』に入学し、互いに四つ葉学園内で主人や専属執事を探す。
だから、この学校は『執事の同伴が可能』ということだ。
まぁ、執事といっても同じ学校の生徒なんだけどな……。
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