胸いっぱいの愛を君に
忘れていた輝き。

席替え

あっと言う間に時は過ぎ、
由紀とあたしも告る前みたいに
戻っていた。

気持ちも。
「席替えをします。」
この言葉を聞くまでは。

「えー!?」
麻衣は大きな声を上げる。
えりや、愛羅も口々に文句を言っている。
内心、あたしもやだなと思っていた。

方法はくじ引き。

席替えの結果、あたしは
廊下側の4番目。
後ろは麻衣で前はえり。
由紀は以前と同じ席だ。

「さゆかもえりも同じ班じゃん!やったね★」
「麻衣と同じ班になるの初めてだあ!」
「そうだね!・・・さゆか?」
「んっ?」
「ぼーっとしすぎ!」
そんなにぼーっとしてたかな??

それにしても、愛羅いいなあ。
愛羅は前のあたしの席になった。
つまり、あいつのななめ。

「あっ!今、愛ちんいいなあって思ったでしょ!?」
麻衣、あんたはエスパーか・・・?
「ちょっと・・・思ってた。」
「めっちゃの間違いでしょ!」

由紀と愛羅は同じ小学校出身だから
仲がいい。

すごくすごく不安だった。

あのとき、あたしたちはまだ
子供だった。

何も考えていなかった。
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