胸いっぱいの愛を君に

不幸がやってきたのは、
あれからすぐのことだった。

「さゆか!!!聞いて聞いて!」
「何?どうした、麻衣?」
「あのね!」
麻衣の話を聞いた途端めまいがした。

話の内容はこうだ。
由紀は野球部なんだけど
最近、野球部とバスケ部が付き合うのが流行っていて
由紀は全く女の噂が無いから
お見合いをしようということになったらしい。
わけわかんないし・・・。

「さゆか、どうするー?」
どうするったってえ。

話を聞いた後、半泣きになってしまった。
由紀は「泣いてんの?」と聞いてくる。
誰のせいだと思ってんの!
て言いたかったけど、
泣きたさのあまりに言えなかった。

明日が来るのが怖かった。
明日、何が起こるか
それだけが、怖くて怖くて・・・。

明日なんてなくなってしまえばいい。
そう思っていた。



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